ベタのコショウ病に対する治療法

2019年10月13日

赤ベタの頭部に金粉をまいたような粒々が発生しました。

「やばい、コショウ病だ」と反射的に思いました。

今回は、コショウ病のメカニズムと一般的な対処法について紹介します。

コショウ病のサイクル

コショウ病の原因はウーディニウムという鞭毛虫です。

ウーディニウムの子虫である「遊走子」は魚体に寄生しphoront(ホロント)に成長します。

このホロントがコショウのような斑点として確認できます。

ホロントは成長中のウーディニウムです。

ホロントが成虫になると、魚の体から離れCyst(シスト)化します。

個体から離れた成虫は、シストの中に胞子を作り寿命を終えます。

この胞子が、やがて遊走子に成長しシストの殻を破って再び魚体に寄生します。

よって、コショウ病のサイクルは「遊走子→ホロント→シスト→遊走子」となります。

まさに無銀ループですよね。

このサイクルは大体、5日から10日間程度です。

ちなみに遊走子は、48時間以内に魚体に寄生できないと自滅します。

つまり理論的には、このサイクルのいずれかを断ち切ればコショウ病を治療できます。

コショウ病の治療方法

コショウ病のメカニズムを理解した後は、具体的な治療法について紹介していきましょう。

ニチドウグリーンFリキッド100mlの使用

コショウ病を治療するには、ウーディニウムの成長サイクルを止めることが重要です。

そのひとつが、「ニチドウグリーンFリキッド100ml」を利用する方法です。

興味のある方はベタのコショウ病治療記録PartⅡ~グリーンFリキッド編ご覧ください。

グリーンFリキッドの取扱説明書には、コショウ病に効果があるとの記載はありません。

ただし、メチレンブルーを含有しているため、個人的な観点からコショウ病にも効果があるはずと判断し使用しています。

グリーンFリキッドは、遊走子を駆除します。

逆に硬い殻で覆われたCyst(シスト)には効果がないと言われています。

よって、シストが無くなるまで治療を継続しないと完治にはいたりません。

グリーンFリキッドが効いたり、効かなかったりするのもシストを見逃し、その見逃したシストから遊走子が発生し、再び魚体に取りつくからではないかと思います。

つまり、薬で魚体がきれいになっても、すべてのシストから遊走子が発生し駆除するまでは薬浴を継続しないと完全な治療は望めません。

薬浴は使用上の注意を良く読んで実行するようにしましょう。

スポイトでシストを強制排除する

ガラス製のベアタンクで飼育していると良くわかるのですが、ベタがコショウ病にかかると底に粒のようなものがたまります。

これがシストです。

このシストを放置しておくと数百~数千個の遊走子が発生するので、その前にスポイトで除去ます。

私はベタがコショウ病にかかった場合、朝と晩に水槽の底を集中的にスポイトで掃除します。

底にくっついている場合もあるので、スポイトで削って吸い取ってもかまいません。

2L水槽だと大体1回につきコップ一杯分となります。

この作業は、定期的な水替えと同時に行ってもいいです。

それでも、にごりやシストがひどい時は5分の4程度の飼育水を廃棄し水槽の掃除を実行します。

廃棄した分は、またカルキを抜いた水を足しておきます。

シストを除去できれば、発生する遊走子の数も減らせますし、魚体に取りつけず自滅するものも出て来ます。

よって、徐々にコショウ病の原因であるウーディニウムを減らしていく治療法です。

数式で表すと、

0.9×0.9×0.9×・・・

で、いずれは限りなくゼロに近づくみたいな感じですね。

そして遊走子が、48時間以内に魚体に寄生できず全滅→完治がシナリオです。

この方法は、薬を使わないので魚に負担がかからないという点がメリットです。

しかし、病気の進行が進んでいる場合、間に合わないケースもあります。

コショウ病の治療法としては、薬浴よりも消極的な方法です。

むしろ薬浴とシストの除去を並行して行うのがいいでしょう。

また、この方法はベアタンクが基本となります。

シストは水草や床材、エアレーションの中にも侵入します。

そうなるとシストの除去は難しくなります。

そのようなケースではグリーンFリキッドを使用し遊走子を駆除していくことになります。

唐辛子と塩浴を併用する

唐辛子の成分である、カプサイシンは殺菌効果があると言われています。

唐辛子だと、大体10Lあたり1本と言われています。

1cm幅で切り刻み、空のティーバッグに入れて水槽に投入します。

唐辛子の中の黄色い種は取り出しておきましょう。

実際に唐辛子を使用しましたが、コショウ病に対しては効果がありませんでした。

唐辛子による治療は、あくまで民間療法のたぐいと考えておけばいいでしょう。

アクアリウムの世界では、塩浴は水槽の容量に対して最高で0.5%程度と言われています。

よって10Lの水槽なら50gの塩をカルキ抜きの水で溶かして投入します。

私の場合は、ベタが病気になった時は0.15%程度のマイルド塩浴を実行します。

2L水槽だと3g程度の粗塩を加えます。

淡水魚は、体表から水を吸収し腎臓で塩分を摂取し尿として排出します。

ただ病気の時は腎臓の機能が低下するので、塩分やミネラル(Na、Ca、Mg、K)を吸収できず脱水症状になります。

よって塩を入れてやることで、血液中の塩分濃度を補えるようにしてあげます。

また小型水槽内の水質は、アンモニアを分解した後に残る硝酸の影響で強い酸性の水質になりがちです。

アルカリ性のミネラルを含んだ粗塩は、強い酸性の水質を中和する効果もあります。

まだコショウ病かどうか判別できないときは、塩浴で様子を見てみるのもありです。

コショウ病かどうか判断に迷う場合は、スタンドの下に水槽を移動してください。

明るい場所で見るとすぐにコショウ病かどうかわかります。

早めに発見出来れば早めに治療できます。

コショウ病の症状がはっきりしたら、薬浴を実行しましょう。

塩を使用する場合、味塩のようなアミノ酸が入っているものは避けましょう。

塩浴時は、「粗塩」として販売されていうものを使用すれば問題ありません。

いきなり市販の塩を使うことに抵抗のある方は「水作ベタの塩タブレットミニ 40錠」のような、ベタ専用の塩を購入し使用すればいいでしょう。

コスパ的には市販の粗塩に劣りますが、ベタ専用の塩なので安心して使えます。

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何度もベタがコショウ病を再発するときの対処法

何度もベタがコショウ病にかかる場合は、餌もひかりベタのような人工飼料のみとし水槽も水草のみのベアタンクにする方がいいでしょう。

乾燥赤虫のような天然飼料を与えると、少量でも水質が悪化します。

ベアタンクにするのは、シストが砂利や床材に付着するのを防ぐためです。

飼育の環境をシンプルにすることで、病気の再発を予防することができます。

まとめ

ベタのコショウ病に対する治療法についてまとめておきましょう。

・コショウ病かどうか判別できない場合、ベアタンクにし塩浴とシストの除去、換水を行う。(唐辛子は飼い主が効果があると思えば加える。)

・コショウ病であることがはっきりわかったら、ベアタンクでグリーンFリキッドのようなメチレンブルー系の薬を利用し薬浴を実行する。

薬浴は使用上の注意を読んで実行すれば問題ない。
塩浴やシストの除去、換水などは薬浴と並行して行ってもよい。

結論として、コショウ病には「遊走子の駆除とシストの除去」が一番の対策です。

具体的には、グリーンFリキッドのようなメチレンブルー系の薬を利用した薬浴とベアタンクにおけるシストの除去が最適解だと思います。

薬浴は、使用上の注意をよく読んで実行すれば問題ありません。

以下グリーンFリキッドを使う上で注意すべき点を、使用上の注意から抜粋しておきます。

【用法および用量】
本剤5mlを水6L~7.5Lの中に徐々に加え、後よく混和して用いる。

【使用上の注意】(基本的事項)
1.守らなければならないこと
・本剤は、観賞魚の白点病、尾ぐされ症状、水カビ病、並びに外傷を治癒するために使用し、観賞魚以外の魚または動物には使用しないこと。

<魚に関する注意>
・本剤は観賞魚であっても古代魚(アロワナ等)、大型ナマズや海水魚には使用しないこと。
・適用上の注意
・薬浴期間は、5~7日を目安とすること。
・5~7日後、症状の改善が見られない場合は、【用法および用量】に従って再度投薬すること。
・ろ材に活性炭、ゼオライト等を使用している場合は、取り除き使用すること。

<取扱い上の注意>
・本剤は小児の手の届かない所に保管すること。
・治療後は薬浴水を取り換える必要はない。

<使用者に対する注意>
・皮膚又は服に付着した場合には、速やかに多量の水で洗うこと。

(グリーンFリキッド使用上の注意から引用)

正直、コショウ病を100%確実に完治させる治療法はありません。

結局は、飼っている人の自己責任で治療を行うしかないのが現状です。

しかし今回の記事で紹介したように適切な治療法を施せば、8割以上の確率でベタをコショウ病から救うことができるでしょう。

なおベタを5年飼っていますが、コショウ病で星になった個体は一匹もいません。

現在飼育している赤ベタや青ベタもコショウ病にかかりましたが、今では治癒し元気に餌くれダンスをしています。

コショウ病は購入先からキャリアとして持ち込むことが多く1回から2回発症しても治癒すれば、その後コショウ病にかかることはまれだと思います。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。