強制執行を受けたらどうなるか調べてみました。

2020年1月27日

英語でPrepare for the worst(最悪のケースに準備せよ)ということわざがあります。

個人的には今後、強制執行を受けることはないと思いますが、常識として知っておいて損はないと考え記事を書いてみました。

どういう場合に強制執行が行われるのか

返済や支払が滞(とどこお)り、当事者間で問題が解決できない時、法的な手続きに進み強制執行が行われます。

つまり財産を差し押さえられます。

まずは期限の利益喪失通知書が届く

返済や支払を滞納したからと言って、すぐに強制執行が行われるわけではありません。

期限の利益喪失通知書というものが債務者の元に届きます。

期限の利益を喪失すると、債権者は債務者に対し一括請求できます。

一括請求されても支払えない場合どうなるのか

期限の利益を喪失し、一括請求されても支払えないケースがほとんどだと思います。

そのままにしていると裁判所から一括請求通知が届きます。

この場合は民事裁判です。

刑事裁判ではありません。

裁判所からの呼び出し状には、口頭弁論の期日とその日に出頭するようにとの旨が記載されています。

また、答弁書を記載して提出するようにとの記載もあります。

裁判所からの通知を無視すると、裁判結果は、債権者の主張を全面的に認める内容の判決が出ます。

具体的には、借金全額の一括返済と遅延損害金の支払い命令判決が出ます。

裁判所の判決を実行できないとどうなるか

裁判所の判決が出ても、債務の返済をできる人はほとんどいないでしょう。

支払い命令を実行できないと、債権者は裁判所に強制執行(差押)の申立をします。

申立が認められると、強制執行が実行されます。

どんな財産が差し押さえられるのか?

給料・・・原則給与の4分の1まで差し押さえることができます。

債務全額を満たすまで、毎月継続して差し押さえることが可能です。

銀行預金・・・普通預金だけでなく、定期預金や当座預金なども差し押さえの対象となります。

自動車・・・自動車がないと生活に支障をきたす場合以外は差し押さえの対象となります。

貴金属、有価証券(株券、小切手 等)骨とう品など債務者が所有しているものであれば差し押さえが可能です。

現金は66万円以下しかない場合は差し押さえることは出来ません。

66万円というのは妙にリアルな数字ですね。

根拠法は、民事執行法第131条3号です。

第131条

次に掲げる動産は、差し押さえてはならない。

三. 標準的な世帯の二月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭

つまり政府は二月間の必要生計費を66万円と考えているわけですね。

一月あたり33万円になります。

差し押さえられないもの

今度は逆に差し押さえられないものをあげていきます。

・生活に必要な家電、家具
・約一か月分の食料や調理用具
・仏壇、位牌
・実印

ここで疑問に思うのが家電、家具の範囲でしょう。

エアコンは1台だけなら、差し押さえできませんが、2台目以降は差し押さえられる可能性があります。

そもそもエアコンを取り上げられると、地域にもよりますが夏は熱中症、冬は凍死の可能性が出てきます。

そうなると、差し押さえをしても債務者の就労能力を奪ってしまうことになります。

テレビ、洗濯機、電子レンジ、湯沸かし器などもエアコンと同じ扱いです。

地方裁判所の民事執行部によっても、違いがありますが債務者の就労能力まで奪ってしまうような差し押さえはない、と考えていいでしょう。

また以下のような給付も差し押さえができません。

・国民年金、厚生年金などの各種年金
・児童手当
・生活保護

家族の所有動産は差し押さえ可能か

家族名義の財産は差し押さえできません。

ただし、債務者が自分名義の財産を家族名義にしていた場合は差し押さえ可能です。

債務者が自分でお金を出して買ったものに関しては、家族名義に変更しても差し押さえられることがあります。

強制執行は何度行われるのか?

これはネットで調べても明確な回答がありませんでした。

個人的な意見ですが、動産に関する強制執行は常識的に考えて1回のみだと思います。

強制執行するにも費用がかかります。

ユーズドショップで物を売った経験のある方ならおわかりと思いますが、買い取り価格は二束三文です。

購入価格の10分の1で買いとってもらえば御の字でしょう。

中には差し押さえても買い取りを拒否されるものもあります。

執行官も暇ではないので費用を回収できない強制執行に積極的ではありません。

費用対効果を考えると1回目の強制執行できっちり債務者の財産を差し押さえするのが原則です。

もちろん、給与のような債権の差し押さえは債務を完済するまで続きます。

ただし差押のできるのは、給与額から税金や健康保険料などを引いた手取り額の4分の1の金額です。

残り4分の3は債務者の手元に残ります。

なお給与の手取りが33万円を超える場合には、超える分の全額が差押の対象となります。

まとめ

今回こういう記事を書いたのは意味があります。

それは、このような記事を書いたり読んだりしておけば、おうおうにして最悪の事がおこらないからです。

最悪の事態というのは、準備して身構えている人にはめったに起こりません。

むしろ何の準備もしていない人に最悪のタイミングで起こるものです。

マーフィの法則ではありませんが、Prepare for the worst(最悪のケースに準備せよ)しておけば、今後お守りのような役割をはたしてくれるでしょう。