1992年ブッカー賞受賞・マイケル・オンダーチェ「イギリス人の患者」を読んだ感想。【ネタバレ】

2020年12月19日

邦題は「イギリス人の患者」ですが、原題は「The English Patient」です。

1996年に映画化され、第69回アカデミー賞で最多12部門にノミネート、作品賞をはじめ最多9部門を受賞しています。

The English Patient」を書いたマイケル・オンダーチェは、スリランカ生まれの作家です。

11歳の時、母とともにイギリスに渡り19歳でカナダに移住、トロント大学を卒業しています。

国籍はスリランカとカナダの二重国籍です。

今回は、1992年にブッカー賞を受賞したマイケル・オンダーチェの「イギリス人の患者」を紹介します。

created by Rinker
¥892 (2021/05/08 09:35:06時点 Amazon調べ-詳細)

多面的な視点から語られる物語

時代は第二次世界大戦の末期で、舞台はイタリアにある修道院です。

一種の館物タイプの物語となっています。

カナダ人の若い看護婦・ハナ、ハナの父親の友人であるカラバッジョ、インド人のシーク教徒で爆弾処理を専門とする工兵・キップ、そしてベッドに寝たきりでありながら3人と交友を持つイギリス人の患者、この男女4人を中心にストーリーが展開していきます。

小説は4人の視点から語られます。

主人公が場面によって変わります。

また時系列も過去と現在を行ったり、来たりします。

話は分かりにくくなりますが、その分小説に深みがあります。

原作と映画の違い

映画ではラズロ・アルマシー(レイフ・ファインズ)とキャサリン・クリフトン(クリスティン・スコット・トーマス)の恋愛(不倫)がメインテーマとなっています。

その分キップとハナの恋愛、サン・ジローラモ修道院における4人の交流が省かれています。

映画というのは、時間に限りがあるのである程度省略されるのは仕方ないですね。

created by Rinker
¥698 (2021/05/08 09:35:07時点 Amazon調べ-詳細)

謎のラストシーン

小説のラストは、「男」が遠方からハナを観察するシーンとなっています。

この男が誰なのか、最後までわかりませんでした。

キップなのか、カラバッジョなのか・・・。

読者がどうにでも捉えられるように、作者が意図的に創作したのかもしれませんね。

created by Rinker
Amazon
¥7,980 (2021/05/08 01:05:13時点 Amazon調べ-詳細)

まとめ

「イギリス人の患者」は多層的、多角的に構築された小説です。

こういう小説を小学校高学年くらいの時に読んでおけば、人生変わったかも、と思わせてくれる作品ですね。

何をするにしても遅すぎるという事はありません。

今からでも、ブッカー賞受賞作を中心に読んでいきたいと思います。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。