これはミュージカルなのか?邦画の傑作「砂の器」を観た感想。【ネタバレ】

先日、Amazonプライムで「砂の器」(1974年公開)を観ました。

古い映画だし、あまり期待せず観たわけです。

しかし名作と言われる映画は、時代を経ても変わらないものだなと、改めて感じました。

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映画「砂の器」のあらすじ

昭和17年、ハンセン病の本浦 千代吉(加藤嘉)は、息子・秀夫を連れて遍路の旅に出ます。

しかし戦中・戦後の混乱期の為、至る所で差別を受けます。

この幼少期の経験が秀夫の人格形成に大きな影響を与えます。

三木巡査(緒形拳)の厚意により親子は一時的に離れ離れになります。

三木は秀夫を我が子のように可愛がりますが、しばらくして三木の元を出奔します。

長じて秀夫は和賀 英良(加藤剛)と改名し、天才ピアニスト・作曲家と名を馳(は)せます。

巡査を引退した三木は、和賀 英良の元を訪れ、父・千代吉との再会を強く求めます。

その後、三木が何者かにより無残に撲殺されます。

継続事件として、警視庁捜査一課警部補・今西 栄太郎(丹波哲郎)が捜査を進めて行くが中々手がかりがつかめず・・・といった感じで物語が展開していきます。

「砂の器」を観た感想

まずテーマソング「宿命」が通奏低音のように劇中、至る所で使用されます。

ラフマニノフ調の曲ですね。

否が応でも哀愁が高まります。

以下、印象に残ったキャストを紹介しておきます。

印象に残ったキャスト

丹波哲郎

捜査一課の警部補・今西 栄太郎を演じています。

粘り強く足を使って捜査を進めていきます。

哀愁ただよう刑事を見事に演じています。

また東北・山陰の田舎の風景がいいですね。

「砂の器」は、ロードムービーという一面もあります。

森田健作

若手の捜査官・吉村 弘を演じています。

今西警部補とのバディ役をしっかり演じています。

にしても森田さん、若くてハツラツとしています。

加藤剛

和賀 英良を演じています。

加藤剛さんと言えば大岡越前ですが、現代劇でもシブイ演技を披露しています。

加藤 嘉(かとう よし)

本浦 千代吉を演じています。

加藤 嘉さんは、快優として名を馳せました。

印象に残っているのは「八甲田山」ですね。

田茂木野村の村長・作右衛門(さえもん)を演じています。

「命知らずの馬鹿な真似にも、程がある。」

というセリフが強烈に記憶に残っています。

島田陽子

和賀の愛人・高木 理恵子を演じています。

薄幸の女性ですね。

島田さんは、この映画の2年後に「犬神家の一族」のヒロイン・野々宮珠世を演じる事になります。

この当時、清楚・綺麗・スタイル抜群と3拍子揃っています。

 

「砂の器」では上記のキャスト以外にも、この時代を代表する俳優さんが数多く出演しています。

メインキャストでなくても、渥美清さん(寅さんシリーズ)や佐分利信さん(獄門島)が脇役で出演しています。

それだけでも楽しい作品です。

なぜ和賀 英良は三木を殺害したのか?

和賀 英良にとって子供時代の記憶はトラウマなわけです。

そこに三木がやって来て強引に父と合わせようとします。

和賀 英良から言わせれば、「なぜ父と別れさせたのか?」という三木へのわだかまりがあるわけです。

また三木の一点の曇りもない善人ぶりも、和賀にとっては気に入りません。

和賀からすれば「お前に俺の何がわかるのか」と言った感じです。

正論を振りかざすのは自由ですが、土足で他人の気持ちに入り込むとエライ事になります。

また都会と田舎、父と子の対立を見事に描いています。

この作品の主役は誰?

主役は和賀 英良ですね。

子供の頃や、自宅・愛人宅での風景が描かれています。

すぐにラウンドキャラクター(主人公)という事がわかります。

今西警部補や吉村巡査の私生活風景は描かれていません。

彼らは狂言回しではあっても、脇役です。

まとめ

「砂の器」は映画だけではなく、7度もテレビドラマ化されています。

貧困ゆえの宿命・悲劇が、いつの時代も人を引きつけて止まない理由でしょう。

時代が時代なら、国際映画祭で作品賞を受賞してもおかしくない作品です。

日本の田園風景も懐かしいですね。

映画を観て山陰地方を旅してみたいと感じる人も多いんじゃないでしょうか。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。