危険なクジラ3選。

日本人にとってクジラは身近な動物です。

私も子供の頃、クジラの赤身や白身を食べていました。

給食で出されていたからです。

とはいえクジラそのもの関しては、あまり知識がありません。

そこで危険なクジラを3種取り上げてみました。

セミクジラ

1878年(明治11年)12月24日、大きな子連れの背美鯨が和歌山県太地町(たいじちょう)沿岸に姿を現しました。

子連れの背美鯨は、「背美の子連れは夢にも見るな。」といわれるほど気性が荒く危険であると言われていました。

しかし、折からの不漁により年を越せない状態にあった太地町の船団は、危険を承知で子連れのセミクジラを追い、沖へ出漁します。

夜を徹して親のセミクジラに銛を打ち込み、仕留めますが、その時ははるか沖に流されていました。

結局、出漁した百名以上が遭難(行方不明)するという信じがたい悲劇を招きました。

これが世に言う「大背美流れ(おおせみながれ)」です。

この記事を読んだ方は、食料に困っても子連れの背美鯨を仕留めようなどと、考えない事です。

えらい目にあいます。

マッコウクジラ

小説「白鯨」・ モビー=ディックのモデルとなったクジラです。

マッコウクジラ

ハンマーのように大きな頭部が特徴的なクジラです。

オスは群れを守るためなら、大型船に体当たりする事も辞さないため、怒らせると非常に危険なクジラです。

1819年8月12日、エセックス号は北米・東海岸にあるナンタケットを出発します。

乗組員は21人でした。

エセックス号は南下し南米のホーン岬を回り、エクアドルの沿岸の村にたどり着きます。

そこで西の赤道上にマッコウクジラの群れがいるという情報を得て西へ向かいます。

アメリカを出航してから1年3カ月後の1820年11月20日、マッコウクジラの群れと遭遇し、一頭ずつ狙い撃ちしていると巨大なマッコウクジラによる体当たり攻撃を受け、わずか10分でエセックス号は転覆しました。

その後、乗組員たちは南米大陸の西海岸を目指し漂流の旅にでます。

ヘンダーソン島に残った3人は後に、英商船サリー号により救出されています。

手こぎ舟で漕ぎだした中で救助されたのは5人のみでした。

この難波事故で助かったのは、21人中8人でした。

事故の悲惨さを考えるとこの生存率は奇跡的です。

当時の乗組員がサバイバルスキルに長けていたという事でしょう。

シロナガスクジラ

シロナガスクジラは最大・全長29m、199トンまで成長します。

シロナガスクジラ

これは現存する動物の中で最大です。

20トン程度の小型船舶は衝突すると、ひとたまりもありません。

事実カリフォルニア沖では、クジラと船舶との衝突事故が年10件以上報告されています。

そこでアメリカでは、海にブイを浮かべクジラが接近して来たら、船舶の速度を落とすような工夫がなされています。

近年シロナガスクジラの頭数は徐々に増えていますが、総計で1万頭前後と非常に少なく、絶滅危惧種に指定されています。

もう少し頭数が増えないと近親交配が発生し、種の存続が難しくなります。

現状、シロナガスクジラを乱獲する意味はないので、このまま増えて欲しいですね。

なぜクジラは乱獲されたのか?

第二次世界大戦後に石油がエネルギー源の主力となるまでは、クジラは乱獲されました。

欧米による捕鯨

欧米では食肉用途ではなく、鯨油として使用されていました。

特に大型のシロナガスクジラから採れる鯨油は、1頭あたり15トンを超えると言われていました。

以前はクジラから採った鯨油を、灯火用の燃料・ろうそく・機械用潤滑油・皮革用洗剤・マーガリン原料などに使っていました。

クジラの鯨油は、文明社会を支える貴重なエネルギー源だったわけです。

以上が、クジラが乱獲された原因です。

日本による捕鯨

日本による捕鯨は食肉用途と鯨油が目的でした。

特に戦前は、クジラ1頭は牛200頭に匹敵すると言われ貴重なタンパク源でした。

戦後になり、石油へのエネルギー転換、豚肉・牛肉などの輸入が増えたため、商業捕鯨は行われていません。

現在、日本がおこなっているのは調査捕鯨のみです。

数の多いミンククジラ、ニタリクジラ、イワシクジラ、マッコウクジラ、ナガスクジラを捕獲しています。

調査の際には、資源量に悪影響を与えないような頭数の範囲内で捕獲を行っています。

捕獲したクジラの肉を販売していますが、これはICRW(国際捕鯨取締条約)において、捕獲したクジラは可能な限り加工して利用しなければならないと規定されているからです。

日本の捕鯨というのは、よく批判されるのですが商業捕鯨が成り立たない以上、的外れと言わざるを得ません。

絶滅危惧種であるシロナガスクジラに対しては、積極的に保護する方針をとっています。

まとめ

クジラは体が大きく、気性の荒い個体もいるため、本気で怒らせると大規模な海難事故に発展してしまします。

ホエールウオッチングが流行ですが、あまり近くで観察するのは避けるべきでしょう。

双眼鏡を使い、ある程度距離を取って観察するのが安全です。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。