ベタが便秘になった時の治療法
ベタの死因第一位は餌のやり過ぎによる消化不良です。
よって便秘になった時の解消法は知っておくべきでしょう。
今回はベタが便秘になった時の治療法について紹介します。
目次
ベタが便秘になった時の状態
まず体液が減るのでヒレがしぼみます。
また腹部以降の部分もしぼみます。
全体的に頭でっかちのような体形になります。
さらに便秘が悪化すると、浮袋が圧迫されるので平行間隔が保てなくなり、横になったり腹部を上にして水面に浮かんだりしていることが多くなります。
ここまで来ると、かなりの重症なので餌の量を減らし塩浴を実行しましょう。
「ジクラ (Zicra) ジクラウォーター ベニッシモ ベタ用 250㎖」のようなコンディショナーが手元にあれば、換水用ボトルに入れて使用します。
ベタはなぜ便秘になるのか
餌を与えすぎると、ベタは便秘になります。
特に乾燥赤虫のような天然飼料を食べ過ぎた時に、ベタは便秘になりやすいです。
ひかりベタの注意書きを読むとベタ一匹に対し1日6粒から10粒与えるようにとの指示があります。
現在、便秘でない健康なベタに与えている餌の量は以下の通りです。
・月~土 朝 ひかりベタ2粒 夕 ひかりベタ2粒(合計1日4粒)
・日 朝 乾燥赤虫1匹前後 夕 ひかりベタ2粒
日曜日は乾燥赤虫を与えるので、その分「ひかりベタ 2g」を一日2粒に減らしています。
1日4粒でも包巣を作り餌くれダンスもします。
かわいいベタは粗食で育てるべし、です。
餌が少なければ消化器官にかかる負担も少なくて済みます。
以上のような量だとベタはめったに便秘になりません。
また時間を空けて、餌を一粒づづあげるのも便秘解消の手段です。
1日計4粒あげる場合、1時間から2時間おきに1粒あげます。
1回に消化する量が少なくなるので腸の負担が減ります。
休みの日に試してみてもいいでしょう。
また便秘気味のベタには最初から乾燥赤虫のような天然飼料を与えないようにしましょう。
まずは餌の量を減らす
ベタが便秘になったら、まずは乾燥赤虫のような天然飼料の給餌(きゅうじ)を止めます。
餌はひかりベタのような人工飼料のみとし、1日1粒程度に減らしましょう。
ベタは4日間程度の絶食には耐えられます。
1日1粒程度のひかりベタを与えておけば飢えることはありません。
餌を交換してみる。
ベタの便秘が慢性的になっている場合は、餌を交換するのもひとつの解決法です。
乳酸菌や納豆菌を含んだ人工飼料がおすすめです。
「ジクラ (Zicra) ジクラウォーター ベニッシモ ベタ用 250㎖」のような消化を促進するコンディショナーと併用すると、便秘解消の効果がさらに期待できます。
ウチのベタは、1~2日に1回はフンをしてくれるようになりました。
餌は半年ほどすると酸化するので新しい物と交換してあげましょう。
ベタフード 20g
「ベタフード 20g」は、乳酸菌・納豆菌・酵母菌などの善玉菌を含むベタ専用の餌です。
結構、納豆臭がします。
ニオイが気になる方は、ジップロックに入れて保管しましょう。
人間もそうですが、ベタも腸内細菌のバランスが崩れていると便秘をします。
腸内細菌のバランスが善玉菌優勢になっていれば、腸内の乳酸菌により腸が刺激を受けます。
その影響で腸の運動が活発になり、餌の消化がスムーズになります。
ベタは有胃魚(胃を持つ魚)ですが、器官自体は非常に小さいです。
よって腸の働きがかなり重要になります。
当然、腸内細菌のバランスが崩れると便秘になりやすいです。
一粒の量が大きいので一日の上限を3粒にして与えています。
現在は、朝2粒・夕1粒です。
食いつきがいいので餌のやりすぎには注意しましょう。
ヒカリ (Hikari) ベタ アドバンス 5g
「ヒカリ (Hikari) ベタアドバンス5g」は納豆菌、乳酸菌、酵母菌を含む人工飼料です。
オキアミを成分に含んでいるせいか、えびせんの香りがします。
ベタフード20gと比較すると粒が小さいです。
量的にはベタフードの4分の1程度ですが、飼育数が少ない場合はこの量で十分でしょう。
ベタフードは台湾製ですが、Hikariベタアドバンス5gは日本国内で生産されています。
ベタが便秘気味の場合、1日4粒程度を与えます。
塩浴をして体液を補充する
便秘をするイコール消化液が不足している、なので体液を補充するため塩浴を実行します。
塩浴をする時は、アミノ酸のような調味料の入っていない粗塩を使用しましょう。
ベタが体調を崩すと、塩分やミネラル(Na、Ca、Mg、K)を腎臓で吸収できなくなります。
特に血液中のナトリウムが不足すると、薄まることを恐れ、ベタの体内では水分の吸収を拒否する現象が起こり体液不足になります。
動物は塩分と水分の二者択一を迫られた時は、必ず塩分を優先します。
水分(体液)が不足していても、塩分濃度が下がるのであれば水を受けつけません。
それくらい体液の塩分濃度が下がることは生体にダメージを与えるのです。
では体液を増やすためにはどうすればいいでしょう。
そうですね。
体内の塩分濃度を上げればいいですね。
そうするとベタは体内の塩分濃度を一定に保つため水を吸収し、結果的に体液や消化液が増加します。
これは人間の脱水症状や熱中症対策と同じ原理です。
血液の塩分濃度が低い時、水分を吸収するとさらに塩分濃度が低くなるので体が水の吸収を拒否します。
そういう時は、まず塩分を摂取した上で水分を補給すると、水が体外に逃げないので、脱水症状を改善できます。
ベタにも同じことがいえます。
体液中の塩分濃度が上がれば水を吸収でき、体液や消化液も増えます。
消化液が増えれば、便秘も改善できます。
実際の塩浴方法
アクアリウムの世界では0.5%の塩浴が推奨されています。
私の場合、海水を原料にして作られた粗塩を使い0.15%のマイルド塩浴を実行しています。
この程度の塩分濃度だとアナカリスも枯れないので、水草も入れたまま塩浴します。
アナカリスが枯れるかどうかは環境によっても違ってくるので、水草を入れたままの塩浴は自己責任でお願いします。
餌やりや水換えを終えた後、カルキを抜いた水で粗塩を溶かし水槽内に投入します。
その日は電灯を早めに消して、ベタがゆっくり塩浴できる環境を整えます。
塩浴は一晩でも効果を表します。
便秘が治らない場合は、3日程度間隔を空けて再度塩浴するといいでしょう。
塩浴に関してさらに知りたい方は、「ベタ、塩浴の方法と効果」をご覧ください。
いきなり食用の粗塩を使うことに抵抗がある方は、ベタ専用の塩を購入し使用すればいいでしょう。
1Lにつき2タブレットを使用するのでコスパ的には市販の粗塩に劣りますが、ベタ専用と銘打ってあるので安心して使えます。
コンディショナーを使用する
実際に使用してみて便秘に効果のあったコンディショナーを紹介します。
ジクラ (Zicra) ジクラウォーターベニッシモベタ用250㎖
塩浴以外で便秘を解消するには、「ジクラウォーターベニッシモベタ用250㎖」のようなコンディショナーを使う方法があります。
このコンディショナーは海洋珪藻土を主成分にしています。
海洋珪藻土とは、海で育った珪藻(藻類の一種)が海底に堆積してできた土です。
海の成分であるミネラル・アミノ酸・フルボ酸・微量元素など、ろ過バクテリアに必要なあらゆる有効栄養素を含んでおり、飼育水の劣化を防止します。
また消化酵素がベタの腸内細菌を活性化し、エサの消化吸収を促進します。
塩浴だけで効果が出ない場合は、ジクラウォーターベニッシモ ベタ用のようなコンディショナーを使用してもいいでしょう。
塩浴とジクラウォーターの併用も可能です。
ウォーターサプリ ベタ・アカヒレ用250㎖
「ウォーターサプリ ベタ・アカヒレ用250㎖」は、成分としてフルボ酸・フミン酸・麦飯石・海洋性珪藻土を含み、消化吸収を助けます。
換水用飼育水1Lに対して2㎖を添加し、使用しています。
実際に便秘をすることが少なくなりました。
かなりの効果がありますね。
デメリットは魚病薬と併用できない点です。
淡水用なので塩浴時の使用も控えたほうがいいでしょう。
水温をチェックする
ベタは水温が低いと便秘になりやすいです。
水が冷たいと血管が収縮し、血行が悪くなります。
血行が悪くなると腸のぜん動運動も鈍くなり、便秘に陥りやすくなります。
よって冬季はヒートマットではなく、投げ込み式ヒーターを使っています。
使っているヒーターは、「エヴァリス プリセットオートヒーター15 BETTAベタ専用オートヒーター」です。
室温14℃の環境でも、26℃をキープしてくれます。
便秘が続く場合は、水温もチェックしてあげましょう。
ココア玉は効くのか?
ベタの便秘でよく聞くココア玉ですが、科学的な根拠がうすいように思います。
確かにココアにはポリフェノールが含まれていて整腸作用があるという論には一理あります。
しかし、便秘中のベタは餌を食べなかったり、食べても吐き出したりするわけです。
ココア玉を食べても、消化液不足で便秘をさらに悪化させてしまうかもしれません。
個人的にココア玉での便秘治療は民間療法のたぐいだと考えています。
効果があると思えば、飼い主さんの判断で行うべきでしょう。
最後の手段は大麦
大麦はスーパーに行けば800g、400円前後で販売しています。
私は普段白米に混ぜて食べています。
大麦は食物繊維を豊富に含み、その量はサツマイモの4倍です。
まずは炊飯器から大麦を一粒取り出し皿の上に置きます。
次にベタの一口大にちぎります。
これをベタに与えます。
あまり大きすぎると口にしませんし、底に沈んでしまいます。
細かくちぎると水に浮きますし餌と認識し食べてくれます。
大麦は普通の餌より糖質を多く含むので、食後は血糖値が上がりベタのテンションが高くなります。
うちのベタは大麦を食べた後、3日後に大きなフンをしました。
相当たまっていたようです。
下の画像はベタが2週間ぶりにしたフンです。
青い丸で囲んだ部分です。
下に写っている大砂利と比較してもその大きさがおわかりになるでしょう。
ミニ灯油ポンプでも最初は吸い込めない程の大きさでした。
大きいフンをした後、ベタも一時的に動かなくなりました。
水槽の底でいきんでいたので、相当体力を消耗したのでしょうね。
なお大麦による便秘解消は民間療法の域を出ません。
大麦を使うのはあらゆる手を尽くしても、どうにもならない時の最後の手段です。
実行する場合は自己責任でお願いします。
フンの頻度は個体によっても違う
ベタの場合、フンをする頻度にも個体差があります。
家では、青ベタが小さなフンを頻繁にします。
逆に赤ベタは、2~3日に1回大きなフンを出します。
便秘であるかどうか見極めるために、フンの頻度はつかんでおきましょう。
なお1週間以上、フンをしなければ便秘とみなしていいでしょう。
まとめ
ベタが便秘になった時の対処法をまとめておきます。
・餌の量を少なくする。
・消化の良くない天然飼料は控える。
・乳酸菌の入りの餌に交換してみる。
・ミネラルを含む粗塩を使った塩浴をして消化液を増やす。
・塩浴だけで効果が出ない場合は、コンディショナーを使用してみる。
・最後の手段として炊飯器で炊いた大麦をちぎって与える。
ベタの便秘を予防するには、普段から餌を少な目に与えることが重要です。
消化の良くない天然飼料も必要最小限にとどめましょう。
常時多めに与えてしまうと、どこかで消化不良を起こしてしまいます。
ベタの消化器官は小さいので便秘は命にかかわります。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。